いきいき編集長からの手紙【15】
 葉桜のころを迎えてツバメがやってきました。そんなお便りを続けてもらって、軒下から飛び立つツバメを見ていたのはこのころだったんだと、なつかしい思いで教えてもらいました。一緒に見ていた母親の顔が気持ちよさそうだったのは、迷いなく飛び立つツバメの姿に思いを重ねていたからだと考えていましたが、気候のよさに心を開いていたこともあったのかもしれないと、そんなことを思いました。

 ゴールデンウィーク本番。どんな思いでお過ごしでしょうか。心を開いて清々しい空気をすーっと吸っていらっしゃいますか。今日は、そんなご機嫌伺いです。このメールの返信には、愉快なできごともあれば、病や悩み、誰にも言えない思いを綴ってきてくださることもあります。どのメールもちゃんと読ませてもらっています。メールを出すことで少しは気持ちを軽くしてもらえたらと思いますし、愉しいことが、さらにあなたを元気にするようにと祈ります。

 それにしても、「いきいき」からはじまるつながりの不思議なこと。ありがたいこと。もうまもなく、新しい「いきいき」6月号がお手元に届くはずです。作家の故・城山三郎さんの亡くなった妻への思いを綴った『そうか、もう君はいないのか』を取り上げ、次女の井上紀子さんに城山さんの晩年をお聞きしたのは、「片寄さん、あの本、読みましたか。私は泣きました」と、このメールでいただいたからでした。ちょっとなまなましさがあるのは、城山さんが亡くなられたあとの出版だからではないでしょうか。ひとりの女性に対する男のひとの思いが伝わってきます。井上さんは、城山さんの妻を失った悲しみが年を追うごとに深く大きくなったと話し、自分にとって父と母という両親が、夫婦であり、男と女、父にとって母が不可欠なひとりの女性であったことを思い知らされたと話していらっしゃいます。そうした父への思いのほか、「須賀敦子さんのイタリア」など、胸に緑の季節が飛び込むようにとつくった6月号です。

 リハビリ中の方に、ぜひ、お読みいただきたいリハビリの最前線も掲載しています。戦時中など古い年金もあきらめずにすむというのも、きっと「『いきいき』の読者でよかった」と思っていただけるでしょう。記事の一つひとつを書いていると、まるで「読書会」のようになってきりがありませんね。そういえば、「いきいき」を題材にして読書会をしているという方もいらっしゃいます。このメールでも、ときにはいいかもしれませんね。

 今日はこの辺で。いい季節をお元気で。


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